Voiceoverでメニューを操作する
macOSのユーザーインターフェイスは、さまざまな種類の部品で構成されています。
その中でも「メニュー」は、
アプリケーションの機能を使いこなす上でとても重要なパーツです。
特にVoiceoverユーザーにとっては、確実に内容が読み上げられるメニューは、
そのアプリケーションにどのような機能があるのかを知ったり、
ボタンなどのGUI操作をせずに機能を実行するための貴重な手がかりとなります。
私も新しいアプリケーションを使用するときは、まずメニューを一通りチェックして
どのような機能が使えるかを把握するようにしています。
それだけに、メニュー操作をしっかり身に付けるのは、
VoiceoverでMacを使いこなすための必須科目と言えるでしょう。
Macで使用されるメニューは、大きく分けると以下の4種類です。
・メニューバー
・エクストラメニュー(状況メニュー)
・コンテキストメニュー(ショートカットメニュー)
・メニューボタン、プルダウンメニューなど
今回は、これらのメニュー要素をVoiceoverで操作する方法をまとめてみました。
いまさらな部分もあろうかと思いますがお付き合いください。
メニューバーの開き方
macOS画面の上部にあるのがメニューバーです。
ここには現在アクティブになっているアプリケーションの
メニューが表示されるほか、
左上隅にはMacの基本機能を呼び出すアップルメニューがあります。
メニューバーはアプリケーションの機能を実行するだけでなく、
キーボードショートカットを確認するのにも役立ちます。
では、このメニューへアクセスしてみましょう。
VO + M
を押すと、メニューバーにVoiceoverカーソルがフォーカスします。
「左右矢印キー」もしくは「VO + 左右矢印キー」で開きたいメニューを選ぶと、
メニューの名称と項目数が読み上げられメニューが開きます。
左右矢印キーを使用する場合、メニューの端に達すると反対側に移動します
「VO + 左右矢印キー」を使用する場合、Voiceoverユーティリティの「ナビゲーション」にある、
「カーソルを反対側に復帰」にチェックが入っていなければ、
項目はループせず、メニューの端に達するとサウンドエフェクトが鳴ります。
目的のメニューが読み上げられたら、
「下矢印キー」を押すと、そのメニュー項目へフォーカスします。
メニューエクストラ(状況メニュー)の開き方
メニューバーの右上隅から、左方向へアイコンや時計などが並んでいる部分が、
メニューエクストラ(状況メニュー)です。
ここから、システムの情報や常駐アプリケーションへアクセスできます。
VO + Mを2回
押すと、メニューエクストラ(状況メニュー)に
Voiceoverカーソルがフォーカスします。
「VO + 左右矢印キー」で開きたいアイコンを選び、
「VO + スペース」でメニューが開き項目にフォーカスします。
項目によっては、メニューではなくポップアップウィンドウが開く場合があります。
コンテキストメニューの開き方
マウス操作の「右クリック(またはControl + クリック)」で開く、
メニューが、コンテキストメニュー(ショートカットメニュー)です。
これは、
VO + Shift + M
コマンドで開きます。
メニューが開くと項目数が読み上げられ、
「下矢印キー」でメニュー項目にフォーカスします。
Finder上の項目やデスクトップ、
SafariのWebコンテンツ上などにVoiceoverカーソルをフォーカスし
上記コマンドでメニューを開き、さまざまな機能が使えます。
カーソルをフォーカスしただけではメニューが使えるか判別できませんが、
結構いろいろな部分でメニューが使えるので試してみましょう。
このメニューは、
「VO + Command + スペース」でアクションメニューを開き、
「メニューを表示」を選択することでも開きます。
メニューボタン、プルダウンメニューなど
アプリケーションウィンドウにある、メニューボタンやプルダウンメニューも、
メニューの一種です。例えばFinderのツールバーにある「アクション」ボタンなどです。
Voiceoverカーソルを動かして、
「メニューボタン」や「ポップアップメニュー」と
読み上げられたら、「VO + スペース」を押します。
(ただ「ボタン」と読み上げる項目でも、メニューになっている場合があります)
すると、メニューが開き、メニュー項目にフォーカスします。
メニューから項目を選択して実行する
メニューが開き、
メニュー項目にVoiceoverカーソルがフォーカスしたら、
「上下矢印キー」もしくは「VO + 上下矢印キー」で項目を選び、
Returnキーで読み上げられたメニュー項目を実行します。
基本、「上下矢印キー」で操作すればOKですが、一部のメニューは
「VO + 上下矢印キー」を使用しないとうまく移動できないので注意してください。
上下矢印キーを使用する場合、メニューの端に達すると反対側に移動します。
(メニューバーの項目だけ、一度下矢印キーを押さないとループしません)
「VO + 上下矢印キー」を使用する場合、Voiceoverユーティリティの「ナビゲーション」にある、
「カーソルを反対側に復帰」にチェックが入っていなければ、
項目はループせず、メニューの端に達するとサウンドエフェクトが鳴ります。
また「サブメニュー」と読み上げられたら、
「右矢印キー」を押して、サブメニュー階層に移動し操作ができます。
「左矢印キー」で前の階層に戻ります。
もう一つ、
メニューを表示させた状態で、アルファベットキーを押すと、
その文字で項目の頭出しができます。
ただ英語表記の項目にしか有効ではないようです。
何も実行せずにメニューを閉じるには、ESCキーを押します。
メニューの代替オプションを利用する
メニューの中には、修飾キー(Option、Control、Command、Shiftキー)を
押しながら開くことで、項目が変化するものがあります。
この項目を「代替オプション」と呼びます。
例えば、アップルメニューを「Optionキー」を押しながら開くと、
メニュー項目にある「このMacについて」が、
「システム情報 …」に変化します。
Voiceoverで代替オプションを使用するにはメニューを開き、
代替オプションが設定されている項目で、修飾キーを押したままにします。
上記の例では、
1.「VO + M」でメニューバーにフォーカス
2.アップルメニューで「下矢印キー」を押す
3.「このMacについて」が読み上げられたら「Optionキー」を押したままにする
4.「システム情報 …」と読み上げられることを確認する
5.「Optionキー」を押したままReturnキーを押して項目を開く
という操作になります。
代替オプションはmacOSやアプリケーションのメニューにも、
数多く用意されています。代表的なものを紹介しましょう。
・Finder
「ファイル」>「このアプリケーションで開く」→「常にこのアプリケーションで開く」
「ファイル」>「ゴミ箱に入れる」→「すぐに削除」
「編集」>「ペースト」→「ここに項目を移動」
「編集」>「○○をコピー」→「○○のパス名をコピー」
・Safari
「履歴」>「履歴を消去 …」→「履歴を消去(Webサイトデータは保持) …」
「ファイル」>「タブを閉じる」→「その他のタブを閉じる」
「表示」>「拡大」、「縮小」→「文字を拡大」、「文字を縮小」
これらはほんの一部です。
アプリケーションによっては別の修飾キーを使用する場合もありますし、
コンテキストメニューでも使用できるものもあります。
キーボードショートカットが設定されている項目もありますよ。
例外的な代替オプションの操作
ただ、修飾キーで項目が「増えるタイプなど、
例外的な代替オプションは、少し操作に工夫が必要のようです。
例えばFinderの「移動」メニューでOptionキーを押すと、
「ライブラリ」の項目が出現するのですが、
Voiceoverでこれを開くには、
1.「VO + M」でメニューバーへフォーカスし左右矢印で「移動」を選択
2.「移動」メニューを「VO + 上下矢印キー」で操作
3.「ライブラリ」と読み上げられたら、VOキーを離す
4.「Returnキー」をおす
これでひらけます。
また、ドックのFinderアイコンをOptionキーを押しながら右クリックすると、
「再度開く」という項目が出現しFinderの再起動ができますが、
Voiceoverでこの操作を行うには、
1.Voiceover修飾キーとして「CapsLock」を使えるように設定する
(Voiceoverユーティリティの「一般」カテゴリ)
2.「VO + D」でドックにフォーカスし左右矢印キーでFinderを選択
3.「CapsLock + Shift + Option + M」を押す
4.上下矢印キーで「再度開く」と読み上げたらReturnキーを押す。
という方法でFinderを再起動できました。
もう少しスマートな方法があるかもしれませんが、
見つけたらご一報ください。
項目の代替オプションを利用する
代替オプションの話が出ましたのでもう一つ。
上記はメニュー項目での代替オプションのお話でしたが、
メニュー以外にも代替オプションが設定されている項目があります。
例えば修飾キーを押しながらクリックすると、別の機能を実行するボタンなどです。
Voiceoverでこの代替オプションを使用するには、
「アクションメニュー」を使用します。
代替オプションがある項目にVoiceoverカーソルをフォーカスすると、
項目名を読み上げた後に「○○には代替項目があります」と読み上げます。
(この情報は、Voiceoverユーティリティの「詳細度」設定で「ヘルプタグを読み上げる」になっている場合に読み上げます。また「VO + Shift + H」を押すと手動で確認できます)
この項目の代替オプションを使用するには、
VO + Command + スペース
を押してアクションメニューを開き
「代替項目を表示」を選びReturnキーを押します。
「代替項目を表示中 ○項目がアップデートされました」と読み上げれば、
○個の代替オプションが操作できるようになっているはずです。
あとはVoiceoverカーソルを動かして、代替オプションを操作します。
なおVoiceoverカーソルが別の項目に移動すると、デフォルトの表示に戻ります。
(アクションメニューからデフォルト表示に戻すこともできます)
たとえばSafariのアドレスバーの代替オプションを表示すると、
開いているページにもよりますが「リーダー」や「セキュア証明書」の項目が出現します。
まとめ
Voiceoverでのメニュー操作についてまとめてみました。
メニュー項目に確実にアクセスできるようになれば、
アプリケーションやmacOSの機能をより深く活用できるようになるでしょう。
※この記事はmacOS 10.13.4で執筆しました。
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