※Voiceoverで使用するキーについてはこちらで解説しています。
愛用していた耳掛け式有線イヤホン)1000円くらい)が壊れてしまい、久しぶりにAmazonさんにアクセスすることになりました。
もちろんmacOSとVoiceover、ブラウザはSafgariです。
ところがどうにも使いにくい。見出しジャンプで商品名を読み上げるまではいいのですが、そこから価格などを読むためにカーソルを移動させても、途中でユーザーレビューの評価分布が読み上げられ、そこから身動きできなくなるのです。「閉じる」をクリックしても、またカーソルを動かすと評価分布ループに入る無間地獄。抜けるには見出しジャンプで飛ぶしかなく、いつまでたっても商品価格を知ることができません。
しばらくして原因を推察できました。
どうやらこの評価分布は商品説明のレビュー項目にマウスポインタが乗っかると自動的にポップアップするウィンドウのようです。
Voiceoverカーソルとマウスポインタの位置が同期していたため、レビュー項目にカーソルが合うとポインタもその場所に移動し、ポップアップが開いてカーソルをポップアップ内にロックオン!してしまったというのが事の真相のようです。
よくよく考えれば、筆者の用途においてVoiceoverカーソルとポインタを同期させる必要性は皆無。設定を変更することに迷いはありません。
VO + ‘F8’でVoiceoverユーティリティを起動し「ナビゲーション」を開きます。
「マウスポインタ」がポインタの挙動を設定する項目です。
ここでは3種類の設定が用意されています。
VoiceOverカーソルを無視
Voiceoverカーソルとポインタは別々に移動します。
VoiceOverカーソルに追従
Voiceoverカーソルを動かすとポインタがその位置に移動します。
VoiceOverカーソルを移動
ポインタを動かすと、Voiceoverカーソルがその位置に移動します。
ここを「VoiceOverカーソルを無視」に設定し、ポインタをSafariのウィンドウから外すことで、今回の問題は無事解決しました。おめでとう。
マウスオーバーで買ってにウィンドウが開いたり内容が変化するWebは結構ありますから、VoiceoverでWebを閲覧していて不自然な挙動を感じたら、マウスポインタの位置を疑ってみましょう。本当はOSレベルでマウスポインタを無効化できるといいんですけどね。
ごくたまに「VO + スペース」でクリックできないボタンの位置にポインタを合わせ「VO + Shift + スペース」でクリックする操作が必要なケースに遭遇したりしますが、その際は「VO Command F5」をおしてポインタをVoiceoverカーソルの位置に移動させればOKです。
おまけ:Voiceoverのマウス関連設定とコマンド
Voiceoverはキーボードで大抵の操作ができますが、たまにマウスでの操作をしいられることもあります。そのようなケースに対応できるよう、マウスポインタを制御したり、ポインタの情報を読み上げる機能が用意されています。
ここではVoiceoverのマウスポインタに関連する機能をまとめておきます。
Voiceoverユーティリティの「詳細度」>「通知」
「マウスカーソルがウインドウに入ったときに知らせる」
チェックを入れると、ポインタがウィンドウやメニューバーのエリアに入った際に、その情報を読み上げます。
Voiceoverユーティリティの「詳細度」>「通知」
「マウスポインタを文字に重ねたら、指定の間を取ってから読み上げる」
チェックを入れると、ポインタを文字の上に乗せて指定した時間が経過すると、その文字を読み上げます。ロービジョンユーザーには便利でしょう。
ポインタ関連のVoiceoverコマンド
- VO + F5:ポインタの下にある項目を説明
- VO + F5を2回:デスクトップ左上からのポインタ座標を説明
- VO + F5を3回:ウィンドウ左上からのポインタ座標を説明
- VO Shift F5:Voiceoverカーソルをポインタの位置に移動
- VO Command F5:ポインタをVoiceoverカーソルの位置に移動
- VO + Shift + Space:マウスをクリック
- VO + Command + Shift + Space:マウスボタンを押す/離す
- ※「右クリック」はコマンダーに登録すれば使用できる。
おまけの中のおまけ
ポインタの位置をキーボードから微調整するにはマウスキーを使用する方法があります。