2019年1月22日火曜日

[Mac] Amazonのポップアップ無間地獄をポインタ設定で脱出する。

※Voiceoverで使用するキーについてはこちらで解説しています。

愛用していた耳掛け式有線イヤホン)1000円くらい)が壊れてしまい、久しぶりにAmazonさんにアクセスすることになりました。
もちろんmacOSとVoiceover、ブラウザはSafgariです。
ところがどうにも使いにくい。見出しジャンプで商品名を読み上げるまではいいのですが、そこから価格などを読むためにカーソルを移動させても、途中でユーザーレビューの評価分布が読み上げられ、そこから身動きできなくなるのです。「閉じる」をクリックしても、またカーソルを動かすと評価分布ループに入る無間地獄。抜けるには見出しジャンプで飛ぶしかなく、いつまでたっても商品価格を知ることができません。

しばらくして原因を推察できました。
どうやらこの評価分布は商品説明のレビュー項目にマウスポインタが乗っかると自動的にポップアップするウィンドウのようです。
Voiceoverカーソルとマウスポインタの位置が同期していたため、レビュー項目にカーソルが合うとポインタもその場所に移動し、ポップアップが開いてカーソルをポップアップ内にロックオン!してしまったというのが事の真相のようです。

よくよく考えれば、筆者の用途においてVoiceoverカーソルとポインタを同期させる必要性は皆無。設定を変更することに迷いはありません。
VO + ‘F8’でVoiceoverユーティリティを起動し「ナビゲーション」を開きます。

「マウスポインタ」がポインタの挙動を設定する項目です。
ここでは3種類の設定が用意されています。

VoiceOverカーソルを無視
Voiceoverカーソルとポインタは別々に移動します。

VoiceOverカーソルに追従
Voiceoverカーソルを動かすとポインタがその位置に移動します。

VoiceOverカーソルを移動
ポインタを動かすと、Voiceoverカーソルがその位置に移動します。

ここを「VoiceOverカーソルを無視」に設定し、ポインタをSafariのウィンドウから外すことで、今回の問題は無事解決しました。おめでとう。
マウスオーバーで買ってにウィンドウが開いたり内容が変化するWebは結構ありますから、VoiceoverでWebを閲覧していて不自然な挙動を感じたら、マウスポインタの位置を疑ってみましょう。本当はOSレベルでマウスポインタを無効化できるといいんですけどね。

ごくたまに「VO + スペース」でクリックできないボタンの位置にポインタを合わせ「VO + Shift + スペース」でクリックする操作が必要なケースに遭遇したりしますが、その際は「VO Command F5」をおしてポインタをVoiceoverカーソルの位置に移動させればOKです。


おまけ:Voiceoverのマウス関連設定とコマンド


Voiceoverはキーボードで大抵の操作ができますが、たまにマウスでの操作をしいられることもあります。そのようなケースに対応できるよう、マウスポインタを制御したり、ポインタの情報を読み上げる機能が用意されています。
ここではVoiceoverのマウスポインタに関連する機能をまとめておきます。

Voiceoverユーティリティの「詳細度」>「通知」
「マウスカーソルがウインドウに入ったときに知らせる」
チェックを入れると、ポインタがウィンドウやメニューバーのエリアに入った際に、その情報を読み上げます。

Voiceoverユーティリティの「詳細度」>「通知」
「マウスポインタを文字に重ねたら、指定の間を取ってから読み上げる」
チェックを入れると、ポインタを文字の上に乗せて指定した時間が経過すると、その文字を読み上げます。ロービジョンユーザーには便利でしょう。

ポインタ関連のVoiceoverコマンド

  • VO + F5:ポインタの下にある項目を説明
  • VO + F5を2回:デスクトップ左上からのポインタ座標を説明
  • VO + F5を3回:ウィンドウ左上からのポインタ座標を説明
  • VO Shift F5:Voiceoverカーソルをポインタの位置に移動
  • VO Command F5:ポインタをVoiceoverカーソルの位置に移動
  • VO + Shift + Space:マウスをクリック
  • VO + Command + Shift + Space:マウスボタンを押す/離す
  • ※「右クリック」はコマンダーに登録すれば使用できる。

おまけの中のおまけ
ポインタの位置をキーボードから微調整するにはマウスキーを使用する方法があります。


[Mac] 基本:Voiceover修飾キーとファンクションキー


当ブログのVoiceover関連記事では、Voiceoverのコマンドの表記に「VO」という略称を用いています。
この「VOキー」は、「Voiceover修飾キー」と呼ばれルものです。この記事では、Voiceover修飾キーの説明と設定方法、さらにMacBookユーザーのためのファンクションキーの設定について紹介します。


Voiceover修飾キー


Voiceover修飾キーとは、Voiceoverのコマンドを実行するために、同時に押すキーのことです。
これは、元々のキーの機能やmacOSのショートカットキーと、Voiceoverコマンドを区別するために用いられます。
VoiceoverのほとんどのコマンドはVoiceover修飾キーと他のキーを同時に押して実行します。
初期設定のVoiceover修飾キーは、

ControlキーとOptionキーの同時押し

に設定されています。

・AppleのJIS配列では、
Controlキーは、キーボード左下隅から2個上のキー、
Optionキーは、キーボード左下隅から1個右のキーです。
・Windows用外部キーボードを使用する場合は、
Controlキーは、キーボード左下隅のキー、
Optionキーは、その2個右のキー(Altキー)です。

例えばVoiceoverのカーソルを動かすコマンドは、

Control + Option + 左右矢印キー

という操作になります。
そして一般的にVoiceover修飾キーは「VO」と略して表記されます。
上記コマンドを例にすると、

VO + 左右矢印キー

と表記されます。
当ブログでもこの表記を使用していますので、覚えていただけると幸いです。


CapsLockをVoiceover修飾キーとして使用する


Voiceover修飾キーは、Control+Option以外に、「CapsLock」キーを設定することができます。この2通りのVoiceover修飾キーを併用することもできます。
設定するには、Voiceoverをオンにした状態で「VO + F8」を押してVoiceoverユーティリティを起動、
「一般」カテゴリにある「VoiceOverに使用する修飾キー」設定から、

  • Control+Option
  • CapsLock
  • Control+Option または CapsLock

から選択します。
なおCapsLockキーの位置は、

・Apple JISキーボードでは
左下隅のキー
・Windows用外部キーボードの場合は
左下隅から2個上のキー
となります。

CapsLockキーをVoiceover修飾キーに設定した場合は、これを2回連続して押すことで本来のCapsLockキーとして動作させることができます。


MacBookのファンクションキー(F1~F12)の設定


Voiceoverコマンドでは、頻繁にファンクションキー(F1~F12)が用いられます。
しかしMacBookではファンクションキーを単独で押すと、画面の明るさ調節などのMacBook固有のコントロールキーとして動作します。そのため、これをファンクションキーとして使用するには、「Fn」キーを
同時に押さなければならずコマンドによってはかなり使いにくく感じます。
そこで、ファンクションキーの設定を変更しましょう。
システム環境設定を開き「キーボード」>「キーボード」の順に選択。

「F1、F2などのキーを標準のファンクションキーとして使用」

にチェックを入れます。
これで、ファンクションキー単独が「F1~F12」キーとして動作します。明るさの調節などのコントロールは「Fn」キーを押しながら「F1~F12」キーを押します。
Voiceoverを使用する場合は、この設定の方が確実に便利です。


Touch Bar搭載MacBook ProのファンクションキーとESCキー


MacBook Proの一部モデルは、ファンクションキーとESCキーの部分が「Touch Bar」になっています。
もちろんTouch Barに表じされるファンクションキーやESCキーでVoiceoverを操作することもできるのですが、場合によっては物理キーでの操作が必要になるかもしれません。Voiceoverでは、ファンクションキーの代わりに

「Fn + 数字キー」

を押すことで、同等のコマンドを実行できます。
例えば、Voiceoverユーティリティ」の起動は、

VO + F8

ですが、このコマンドの代わりに

VO + Fn + 8

を使用することができます。
また「ESC」キーの代わりに、

Fn + Tab

で代用することができます。


まとめ


Voiceover修飾キーとファンクションキーの設定についてまとめました。
当ブログのVoiceover関連記事では、「VO」とファンクションキーの表記が頻出しますので、この記事の内容を踏まえた上でお読みください。


[Mac] マウスキーの設定と使用方法(macOS Mojave対応)


「マウスキー「はmacOSのアクセシビリティ機能のひとつです。
この機能をオンにすれば、キーボードもしくはテンキーでマウスポインタを操作することができます。
マウスやトラックパッドの使用が困難なユーザーのほか、キーボード操作がメインのVoiceoverユーザーにも便利な機能です。
たとえばVO + スペースでクリックできない要素をVO + Shift + スペースでクリックする際にポインタを微調整する時などに便利です。

Appleサポートページにあるマウスキーの情報が古く更新されなさそうなので、こちらにMojaveでのマウスキーの設定方法と使い方をまとめておきます。

なおキーボードからマウスポインタを操作する方法としては、フリーソフト「Karabiner」を利用する方法もあります。


マウスキーを有効/無効にする


「システム環境設定」>「アクセシビリティ」を開き、
アクセシビリティ機能のリストから「マウスとトラックパッド」を開きます。

「マウスキーを有効にする」
にチェックを入れるとマウスキーがオンになります。チェックを外せばマウスキーは無効になります。

※注意:マウスキがオンの状態では、マウスキー操作に使われる一部のキー入力が無効になります。


マウスキーのオプション


マウスキー設定の「オプション…」をクリックすると、マウスキーのオン/オフを切り替えるショートカットキーなどの設定が行えます。

Optionキーを5回押してマウスキーのオン/オフを切り替える
このオプションにチェックを入れると、Optionキーを5回連続して押すことで、マウスキーのオン/オフを切り替えられます。
※注意:この操作を実行するとアクセシビリティのダイアログが一定時間表示されます。

マウスキーがオンのときは内蔵トラックパッドを無視
このオプションにチェックを入れると、マウスキーがオンの時は内蔵トラックパッドの操作が無効になります。うっかりトラックパッドに触れてマウスキー操作を妨げないようにするオプションです。

入力認識までの時間
マウスキーを押し続けたとき、ポインタが移動するまでの時間を調節します。

最大の速さ
マウスキーを押し続けてポインタを移動するときの最大速度を設定します


マウスキーの操作方法


マウスキーを有効にすると、テンキーもしくはキーボードでポインタを移動できます。
キーを押してすぐに指を離せば、ポインタは1ポイント分移動。
キーを押し続けると、オプション設定に従ってポインタは高速で移動します。
クリック操作やマウスボタンを押したまま移動といった操作も可能です。

テンキーを使う操作
「5」を中心にした8つのキーでポインタを移動します。

  • 上下左右の移動:「2/4/6/8」
  • 斜め移動:「1/7/9/3」
  • クリック:「5」
  • 右クリック:Controlを押しながら「5」
  • クリックしたままにする:「0(ゼロ)」
  • クリック状態を解除:「ピリオド」

キーボードを使う操作
「I」を中心にした8つのキーでポインタを移動します。

  • 上下左右の移動:「K/U/O/8」
  • 斜め移動:「J/7/9/L」
  • クリック:「I」
  • 右クリック:Controlを押しながら「I」
  • クリックしたままにする:「M」
  • クリック状態を解除:「ピリオド」

ひとまずブログを統一します

BloggerがVoiceoverで非常にアクセスしにくくなってしまったため、しばらくはMac関係の記事も メインのブログ にエントリーすることにしました。ブログの切り替えが非常に難しいんですよ。 改善されればまたこちらにもエントリーするかもしれませんが。 よろしくお願いします。