Twitterクライアント選びは悩みのタネ
LINE、Facebook、Instagramなど数多くのSNSがありますが、他ユーザーとゆるく繋がりつつ情報収集ツールとしても便利なTwitterは根強い人気があります。
特に視覚障害者にとってはテキスト中心で280文字の制限は、スクリーンリーダーで幅広い情報を短時間で読むには適していると感じています。
そしてTwitterのもう一つのメリットが、Webや公式アプリだけでなく、サードパーティー製のクライアントが選べるという点でしょう。
Mac AppStoreで入手できるものだけでも、
主要なものだけでも、これだけあります。
ただ、残念ながら
Voiceoverでまともに使えるアプリケーションは少数派だったりします。
その中でも「夜フクロウ」は、Voiceoverでほぼ問題なく使え、さらに動作も軽く、しばらくメインで使用していました。
○Macアプリ
開発 aki-null.net
価格 無料
しかしこのアプリ、2016年を最後にアップデートされなくなってしまい、Twitterの仕様変更や機能追加により使い勝手が悪くなってきました。
基本機能はまだ大丈夫なのですが、長いツイートの表示が切れてしまったり引用リツイートが表示されないなど、細かいストレスがたまります。
それで、夜フクロウを補うという意味で、
Twitterの公式クライアントを併用しつつだましだまし使っていました。
ところが、2018年2月16日、
突然公式クライアントの配布とサポートの打切りが発表されました。
3月16日には公式アプリからのTwitterへの接続が遮断されるという徹底ぶり。
まさに晴天の霹靂。
まあTwitter社からすればWebで使ってくれというメッセージだとは思うのですが、
ちょっと乱暴だなというのが正直なところ。
個人的にはSafariだと思いしタブをガンガン開いているのでクライアントアプリで使いたいのです。
というわけで、やや強制的にアプリを乗り換える羽目になってしまいました。
Twitterrific(ツイテリフィック)に乗り換え
とはいえ選択肢は少ないわけで、最終的に候補に上がったのは「Tweetbot」か「Twitterrific」の2アプリ。
でも両方とも有料でしかもいいお値段します。
そこで色々調べた結果、選んだのが
「Twitterrific(ツイテリフィック)」です。
決めては「Voiceover対応」を明示している点でした。
なお先日、Tweetbotの半額セールがあったので)600円)購入して見たのですが、
残念ながらVoiceoverではタイムライン上のユーザー情報を一切読み上げないことがわかりました(Version 2.5.4 (25400))。
というわけで、現時点でVoiceoverユーザーにとって実用的なTwitterクライアントは
Twitterrific、という雰囲気になりました。
もしかしたらマイナーなアプリでもっと使えるものがあるかもしれませんが…。
ご存知でしたら情報をお寄せください。
○Macアプリ
開発 The Iconfactory
価格 2,400円
通常価格は2,400円ですが、期間限定の乗り換えキャンペーンで60%ディスカウントされており、960円で購入できました。
TwitterrificはオーソドックスなTwitterクライアントです。
マルチアカウントに対応し、基本的なTwitterの機能はもちろん、引用リツイートや280文字投稿などにも対応しています。
iCloudを経由してiOS版と未読ポイントなどを同期できるのも大きな特徴でしょう。
ミュート機のうが充実しているのも精神衛生上よろしい。
独自のミュート機能に加え、Twitterのミュートにも対応指定ます。
なおインターフェイスは英語表記のみ。用語に慣れるまでは少し違和感あるかもしれません(Quote=引用リツイート、Muffle=ミュートなど)。
他にもツイートが色分けされていてわかりやすいとか、写真表示が綺麗だとか複数のタイムラインを並べて表示できるなどの特徴もあるようですが、見えない私にはレビューできないので割愛します。
実際にVO環境でTwitterrificを使って見た
では実際のところ、Voiceover環境でちゃんと使えるのか?
まだ使い始めではありますが、Voiceoverユーザーの観点からTwitterrificのファーストインプレッションを書いて見ます。
なおバージョンは5.3 (93)です。
・Voiceover対応
流石にアナウンスされているだけあり、Voiceover対応はしっかりしています。
読み上げないボタン類もなさそう。VOの基本操作に慣れていればすんなり使い始められるでしょう。
ただこれはバグだと思うのですが、
改行が入っていたり長文のツイートの読み上げが不完全なケースが見られます。
例えば上矢印でタイムラインを時系列に読んでいると、ツイートの前半を読まなかったり、
下矢印キーでタイムラインを遡って読んでいると、ツイートの読みが途中で終わってしまうことがあります。
さらに矢印キー操作では、ツイートの読みこぼしも発生します。
改善されるまでは、読み上げが不完全だと気がついたら、上下矢印キーでツイートを行ったり来たりして読むか、「Command + O」でツイートをポップアップして読むしかなさそうです。
今の所、タイムラインのスクロールエリアを操作可能にして(VO+Shift+下矢印)、
「VO + 左右矢印キー」を使って読む方法が比較的確実でしょうか。ちょっと面倒。
・写真説明文に対応
ツイートを投稿するとき、写真に説明文をつけられます。比較的新しい機能なので、対応しているクライアントは少ないのですが、Twitterrificはしっかり対応しています。
しかし問題も。
投稿するときはいいのですが、投稿された写真の画像説明文が読み上げられません。
Returnキーで写真をポップアップ表示しても読まれない…。
何か操作間違っているのでしょうか。
まさか投稿だけ対応ということもないと思うのですが。
・豊富なショートカットキー
これは他のクライアントでも同様ですが、
Twitterrificにも豊富なショートカットキーが用意されており、
ほとんどの操作をキーボードだけで実行できます。
ショートカットキーの確認はこちらから。
新規ツイートやタイムラインの切り替えなど主要なショートカットキーはメニューから確認できます。
メニューから確認できないもので使用頻度が高いのは、
スペース:タイムラインで次のツイートに移動
Shift スペース:タイムラインで前のツイートに移動
ツイートで右矢印:リンクをブラウザで開く
ツイートで左矢印:ツイートを含むスレッドを表示
ツイートでReturn:添付ファイルをポップアップ表示
Command+上矢印:最新のツイートへ移動
Command+下矢印:最後のツイートへ移動
ESC:ポップアップを閉じる
あたりでしょうか。
ツイートのコンテキストメニューを開くと(VO + Shift + M)、メニューが開きいくつかのアクションを実行できます。
ツイート内のハッシュタグへのアクセスは、本文を操作可能にして辿らなければならずちょっと面倒。iOS版のようにメニューから飛べるようになると便利なのですが。
あと気になったのが、ツイートごとにリツイートや引用などを実行する6つのボタンがあり、Voiceoverがいちいちこれらを読み上げるのが煩わしく感じます。
ショートカットキーで実行できるボタンは設定で非表示にできると良いですね。できるのかな。
・動作がちょっと重いのが気になる
夜フクロウと比べると、全体的に動作が重いと感じます。
稀にフリーズ?ってくらい重くなったりします。
Twitterrificを起動しなおせば改善されますが。
欲をいえば、夜フクロウにある、タイムラインで指定したツイートの投稿者の最近のツイートをワンキーで開ける機能があるといいなあ。
Voiceover対応であることの意義
まだ不満な部分はあるものの、
利用するメリットはとても多いというのが現在の感想。
しばらくはTwitterrificで過ごしてみようかな?という感じです。
アップデートも頻繁に行われているので、不具合も解消されるのではと期待しています。
公式クライアントから乗り換えたVoiceoverユーザーも増えてイるでしょうし。
なによりVoiceover対応を明記しているのは、今後使い続けるにあたり大きなポイントではないでしょうか。
Apple純正以外でVoiceover対応を明記していないアプリケーションは、例え現在使えていたとしても、今後アップデートなどで使えなくなる可能性は大いにあります。
それだけスクリーンリーダーに頼っているユーザーは危うい状況に晒されているのが残念ながら現状ではないかと思います。
……でもやっぱり「夜フクロウ」が更新再開されるのが、自分にはベストなんですけどね。
※この記事はmacOS 10.13.3で執筆しました。
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