2018年5月29日火曜日

MacとWindowsの音声をひとつのヘッドホンで聞きたい!



2台のPC音声を一つのヘッドホンで聞きたい


今私のデスクには2台のノートPCが置いてあります。
MacBook ProとWindowsノート(Let's Note)です。
これに、キーボード切り替えケーブルを使って、東プレのキーボードRealForceを接続して使っています。
もちろんどちらのPCもスクリーンリーダーで使っているのですが、問題は音声出力。
基本音声はヘッドホンで聞いているのですが、PCを切り替えるごとにヘッドホンを抜き差しするのがとても面倒。
そこで、2台のPC音声を1つのヘッドホンで聞くための環境を構築することにしました。

まずどのような方法があるか考えてみると、

(1) 2つのヘッドホン出力をケーブルでミックスして聞く
→やってみたら音量が小さすぎて使えず

(2) ミキサーを使って2系統の音声をミックスして聞く
→ミキサー購入は予算オーバーだしケーブルが煩雑

(3) 2系統入力のあるスピーカーのヘッドホン出力から聞く
→いま使っているBoseのMedia Mateなら可能

というわけで、(3)の方法で解決、と思ったのですが、
せっかくスピーカーがあるのにミキサー代わりにしてしまうのはなんか勿体無い……。
できればスクリーンリーダーの音声はヘッドホンで聞きつつ、音楽だけスピーカーで鳴らせるのが理想です。

というわけで、

「MacBookとWindowsの音声を同時にヘッドホンで聞きつつ、
MacBookで再生した音楽をスピーカーから鳴らす」

という目標を立てました。


USBオーディオデバイスをMacに導入


まず、MacBookのオーディオ出力を2系統にするため、
USBオーディオデバイスを入手しました。
このての製品は種類も多く、機能も価格もピンキリ。
このジャンルは詳しくないので、とりあえずお試しで価格の安い製品をチョイスしました。
購入したのはこれ。


この製品には3つのオーディオ端子が搭載されており、
ヘッドセット用4極端子、マイク入力端子(モノラル)
そしてもう一つモニタ用オーディオ出力端子が付いています。
Mac側の音声とマイクはボタンでニュートでき、
音量調節ツマミも用意されています。

これを、セルフパワーのUSBハブ経由でMacBookに接続。
接続するだけですぐに認識されて使用準備ができます。
接続ができたらUSBデバイスのヘッドセット端子にヘッドホンを接続しておきます。

さらにMacBookのヘッドホン端子には、
オーディオケーブルを使用してスピーカーを接続しました。

この時点で、MacBookの音声はスピーカーから鳴っているはずです。


MacBookのサウンド設定を変更する


まずMacBookのサウンド設定を変更します。
システム環境設定の「サウンド」>「出力」を開き、
「サウンド出力先」を「USBオーディオデバイス」に設定します。
これでVoiceoverの音声を含めMacBookの音声がUSBデバイス経由でヘッドホンから聞けるようになります。
もしVoiceoverの音声がUSBデバイスから出ない場合は、
Voiceoverユーティリティを開き「サウンド」の「出力デバイス」を「システムデフォルト」に設定します。


音楽だけをスピーカーから鳴らすには


次は音楽だけをスピーカーから出力する方法を考えます。
私が使っているメディアプレイヤーは、
オープンソースの「VLC」。
このプレイヤーは、オーディオの出力先を指定できるのが特徴のひとつです。
「オーディオ」メニューにある「オーディオデバイス」から出力先を選べば、以降はそのデバイスから音が鳴ります。
その際、内蔵スピーカー/ヘッドホンを選択する部分が読み上げられない場合がありますが、、無言の項目を選べばちゃんと音声出力がスピーカーに切り替わります。

○Macアプリ
開発:VideoLAN
価格:無料

この段階で、VLCで再生した音楽はスピーカーから。
Voiceoverを含めたその他の音声はヘッドホンから鳴っています。

余談ですが、音楽だけをスピーカーから鳴らす方法としては他にも、USB接続のDACを経由してハイレゾ音源プレイヤーから鳴らしたり、iTunesならAirPlay対応機器を導入してワイヤレス再生する方法も考えられます。
要するにアプリケーション側で出力先を指定できればいいのです。

もしVoiceoverの音声だけヘッドホンで聞ければいいのであれば、
システムのサウンド出力をスピーカーに設定して、
Voiceoverユーティリティのサウンド出力をUSBオーディオデバイスに設定しても良いかもしれません。
iTunesメインのユーザーならこちらの方が良いかも。
その場合は通知音などはスピーカーから再生されます。


Windowsの音声をミックスする


さて次はWindowsです。
まず何も考えずにWindowsのヘッドホン出力をUSBデバイスのマイク入力に接続。

………うーん音が出ない。
Macのオーディオ入力設定を変更してもだめ。
ここでかなり悩みました。
そこで、ものは試しにWindowsからの音声を、
USBデバイスのモニタ出力端子に繋いで見ました。

……おお、音が出ました。しかもステレオで。なぜだ。

この端子、どうやらオーディオを入力してそのままヘッドセット端子からスルー出力することもできるっぽい。
(後で試しましたがこの端子からの入力信号をMacで取り込むことはできませんでした)
あくまでもUSBデバイス内部でのみ有効な端子のようです。

あまり釈然としませんが、結果オーライ。
これで、MacBookの音声とWindowsの音声がミックスされてヘッドホンから聞こえてきます。
USBデバイスにはUSBハブから電力が供給されているので、
MacBookをシャットダウンしてもWindowsの音声は聞けます。
MacBook、Windowsの音量バランスはそれぞれのボリュームで調節します。
USBデバイスの音量ダイアルは、Macの音量調節になります。

さらにここからヘッドホンをワイヤレスにするのであれば、USBデバイスのヘッドセット端子からBluetoothトランスミッターを接続してBluetoothヘッドホンで聞くという環境を構築することもできるでしょう。
その際、低遅延コーデック(apt-X LLなど)を採用した製品を選ぶと、Voiceoverの音声と操作のズレが軽減されます。
以下の記事が参考になると思います。


なおUSBデバイスのマイク入力端子には、
マイクを接続すればFaceTimeやSkypeでの通話にも使えます(モノラル)。


なんとか目標は達成される


というわけで、MacBookとWindowsの音声を同時にヘッドホンで聞きつつ、MacBookで再生した音楽だけスピーカーから鳴らす、という目的が達成されました。
正直もっといろいろ試行錯誤するのかと思っていましたが、USBデバイス一つでここまでできるとは。
ポイントは、オーディオスルー入力端子の存在ですね。
これがなければ多分諦めてました。

ただ、他のUSBオーディオデバイスで同じ結果が得られるかは正直よくわかりません。
あくまで今回使用したUSBオーディオデバイスでの結果とお考えください。

今後はWindows側にもUSBオーディオデバイスを導入して、一部のアプリケーションの音声だけをスピーカーから鳴らす、という環境も構築したいですね。

オーディオ周りは混乱するとあっという間にケーブルの森が出現しがちですので、USBデバイスやワイヤレス技術をうまく採り入れるのが重要だと感じました。
あとスクリーンリーダー使いの立場からヘッドホンについても書こうと思っていたのですが、長く鳴ってしまったのでまたの機会に。

※この記事はmacOS 10.13.4で執筆しました。

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