画面を見ずにMacを使いこなすVoiceoverユーザーにとって「現在時刻をいかにして知るか」はちょっとしたテーマです。画面が見えていれば、メニューバーに視線を向けるだけで時刻がわかりますが、音声が頼りのVoiceoverユーザーは、そういうわけにはいきません。まあMacの傍に、音声時計やスマホを置いておく方法もありますが。
というわけで、Voiceoverユーザーが現在時刻を音声で確認する方法を、いくつか紹介しましょう。
Siriに聞く
一番手っ取り早いのは、Siriに時間を聞く方法でしょう。
デフォルト設定では「Option+スペース」を長押ししてSiriを起動し「いま何時>」と聞けば、時間を教えてくれます。同様に「今日は何日?」と尋ねれば、日付と曜日を教えてくれます。ESCキーを押して元のウィンドウに復帰させましょう。
ただSiriの音声はスピードがゆっくりなので、人によってはちょっと聞きにくいかもしれませんね。
メニューバーの時計にVoiceoverカーソルを合わせる
macOSのデスクトップ右上にあるステータスメニューには、時計が表示されています。ここにVoiceoverカーソルをフォーカスすれば、その内容を読み上げて現在時刻を知ることができます。読み上げる内容(日付、曜日を含めるなど)はシステム環境設定の「日付と時刻」で設定することができます。
では時刻を読ませてみましょう。
Voiceover修飾キーを押しながら「M」を2回押せば、「Menu Extra」と読み上げ、ステータスメニューへ移動します。VO+左右矢印で時刻表示にフォーカスすれば、時刻を読み上げてくれます。ESCキーで元のウィンドウへ復帰します。
ここでVoiceoverならではのテクニックをひとつ。時刻を読み上げたら、すかさず「VO + Shift + C」を押すと、日付や時刻がクリップボードへコピーされます。少し余計な情報も含まれますが、書類の中に日時を入れたい時に使うと便利かもしれません。
ホットスポットを使う
時刻を調べるたびにステータスバーへ移動するのは少々手間ですよね。そこでVoiceoverの便利機能「ホットスポット」を活用しましょう。これはVoiceoverカーソルの位置を記録し、Voiceoverコマンドでその場所へ移動したり、内容を読み上げることができる機能です。詳しくはこのエントリーをご覧ください。一部内容が古くなってますが。
例えばステータスメニューの時計を、ホットスポット5へ記録して読み上げさせてみましょう。Voiceoverカーソルを時計にフォーカスさせたら、
「VO + Shift + 5」を押します。
「ホットスポット5として保存されました。」と読み上げられれば成功です。あとは、
「VO + Command + 5」を押せば、時計の内容を読み上げるはずです。
コマンド一発で時刻が分かるので、とても便利ですよ。
さらにいっぽ進めて、作成したホットスポットをコマンダーに登録する方法もあります。コマンダーにはテンキー、キーボード、トラックパッドがありますが、それぞれのコマンダーにホットスポットを割り当てれば、より簡単に時刻の読み上げが可能になります。筆者はテンキーコマンダーを愛用していますが、キーストローク一発で時刻を知れるので重宝しています。
おまけ:時報を設定する
macOSには、一定時間ごとに時刻を読み上げる「時報」機能が搭載されています。設定により15分、30分、1時間ごとに音声で時間を教えてくれます。この音声はVoiceoverとは別の音声を指定できるので、通常の読み上げと区別しやすいのも良いですね。もちろん時報でVoiceover読み上げがキャンセルされることもありません。
では時報を設定してみましょう。
「システム環境設定」を起動して「日付と時刻」を開きます。「日付と時刻」タブの中にある「時報をアナウンス」にチェックマークを入れて、プルダウンメニューから時報の頻度(15分、30分、1時間(を設定します。
時報を読み上げる音声は「声の種類を変更」をクリックして、声、速さ、音量を変更できます。
※この記事はmacOS 10.15.1で執筆しました。