2019年11月23日土曜日

[Mac] いま何時? 現在時刻を音声で確認する方法。


画面を見ずにMacを使いこなすVoiceoverユーザーにとって「現在時刻をいかにして知るか」はちょっとしたテーマです。画面が見えていれば、メニューバーに視線を向けるだけで時刻がわかりますが、音声が頼りのVoiceoverユーザーは、そういうわけにはいきません。まあMacの傍に、音声時計やスマホを置いておく方法もありますが。

というわけで、Voiceoverユーザーが現在時刻を音声で確認する方法を、いくつか紹介しましょう。

Siriに聞く


一番手っ取り早いのは、Siriに時間を聞く方法でしょう。
デフォルト設定では「Option+スペース」を長押ししてSiriを起動し「いま何時>」と聞けば、時間を教えてくれます。同様に「今日は何日?」と尋ねれば、日付と曜日を教えてくれます。ESCキーを押して元のウィンドウに復帰させましょう。
ただSiriの音声はスピードがゆっくりなので、人によってはちょっと聞きにくいかもしれませんね。

メニューバーの時計にVoiceoverカーソルを合わせる


macOSのデスクトップ右上にあるステータスメニューには、時計が表示されています。ここにVoiceoverカーソルをフォーカスすれば、その内容を読み上げて現在時刻を知ることができます。読み上げる内容(日付、曜日を含めるなど)はシステム環境設定の「日付と時刻」で設定することができます。

では時刻を読ませてみましょう。
Voiceover修飾キーを押しながら「M」を2回押せば、「Menu Extra」と読み上げ、ステータスメニューへ移動します。VO+左右矢印で時刻表示にフォーカスすれば、時刻を読み上げてくれます。ESCキーで元のウィンドウへ復帰します。

ここでVoiceoverならではのテクニックをひとつ。時刻を読み上げたら、すかさず「VO + Shift + C」を押すと、日付や時刻がクリップボードへコピーされます。少し余計な情報も含まれますが、書類の中に日時を入れたい時に使うと便利かもしれません。

ホットスポットを使う


時刻を調べるたびにステータスバーへ移動するのは少々手間ですよね。そこでVoiceoverの便利機能「ホットスポット」を活用しましょう。これはVoiceoverカーソルの位置を記録し、Voiceoverコマンドでその場所へ移動したり、内容を読み上げることができる機能です。詳しくはこのエントリーをご覧ください。一部内容が古くなってますが。

例えばステータスメニューの時計を、ホットスポット5へ記録して読み上げさせてみましょう。Voiceoverカーソルを時計にフォーカスさせたら、
「VO + Shift + 5」を押します。
「ホットスポット5として保存されました。」と読み上げられれば成功です。あとは、
「VO + Command + 5」を押せば、時計の内容を読み上げるはずです。
コマンド一発で時刻が分かるので、とても便利ですよ。

さらにいっぽ進めて、作成したホットスポットをコマンダーに登録する方法もあります。コマンダーにはテンキー、キーボード、トラックパッドがありますが、それぞれのコマンダーにホットスポットを割り当てれば、より簡単に時刻の読み上げが可能になります。筆者はテンキーコマンダーを愛用していますが、キーストローク一発で時刻を知れるので重宝しています。

おまけ:時報を設定する


macOSには、一定時間ごとに時刻を読み上げる「時報」機能が搭載されています。設定により15分、30分、1時間ごとに音声で時間を教えてくれます。この音声はVoiceoverとは別の音声を指定できるので、通常の読み上げと区別しやすいのも良いですね。もちろん時報でVoiceover読み上げがキャンセルされることもありません。

では時報を設定してみましょう。
「システム環境設定」を起動して「日付と時刻」を開きます。「日付と時刻」タブの中にある「時報をアナウンス」にチェックマークを入れて、プルダウンメニューから時報の頻度(15分、30分、1時間(を設定します。
時報を読み上げる音声は「声の種類を変更」をクリックして、声、速さ、音量を変更できます。


※この記事はmacOS 10.15.1で執筆しました。

2019年11月22日金曜日

[Mac] Voiceoverセッション@Apple Store新宿の覚え書き。


みなさんは「Today at Apple」をご存知ですか?
これはAppleの直営店「Apple Store」で定期的に開催されている、Apple製品を使ったさまざまな体験やスキル学習ができる無料のイベントです。

Today at Appleでは「セッション」という形で、写真撮影やビデオ作成、コーディングなど、多彩なカテゴリの講座が開催されていますが、その中にはアクセシビリティを扱うセッションも豊富に用意されています。視覚だけでなく聴覚や運動、学習障害のある当事者や支援者を対象に、アクセシビリティ機能を使ってApple製品を活用する基本的な方法を学ぶことができます。すでに製品を使っているユーザーはもちろん、障害者支援にApple製品を導入したいと考えている方にも良い機会となるでしょう。専門知識を持つスタッフが、懇切丁寧にレクチャーしてくれます。

iPhoneやiPadと比べると数は少ないものの、Macのアクセシビリティ・セッションも定期的に開催されており、筆者も先日Apple Store新宿店で開催された⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠「MacのためのVoiceOverを使ってみよう」というセッションに参加してきました。
筆者はMac歴はそこそこ長いものの、ことVoiceoverに関しては独学と試行錯誤と根性で習得してきたので、ここで改めて基本を学びつつ、MacのVoiceover普及に役立てられると良いかな?と思った次第です。

セッションへの参加は「Today at Apple」の各ページから申し込むことができます。名前とメールアドレスを登録するだけなので簡単です。私は試してませんがApple IDでログインして申し込むこともできるようです。
確認のメールが届いたら、あとは当日Apple Storeを訪問すればOK。時間になると店内放送でセッションの開始がアナウンスされるので、そこで名前を告げれば案内してくれます。なお席数に余裕があれば、飛び入りでも参加できるようですが、確実に参加を希望するなら予約しておいた方が良いでしょう。
セッションで使用する機材は自分のものを持ち込むか、お店で用意してくれるマシンを利用することもできます。筆者のMacBookはバッテリーがお亡くなりになっていて外に持ち出すことができないためお店のMacBook Pro(13インチ、TouchBar搭載)をお借りしました。

さて、ここから90分のセッション開始です。
大まかな流れはこんな感じでした。。

  1. 簡単な自己紹介
  2. MacBookのキーボード配列を確認する
  3. Voiceoverを有効にする(Command+"F5"、Siri)
  4. Voiceover就職キー(VOキー)を覚える(Control+Option、またはCapsLock)
  5. Dockを操作して、アプリケーションを開く(VO+"D"、VO+左右矢印、VO+スペース)
  6. Voiceoverナビゲーションの基本(VO+左右矢印、VO+Shift+上下矢印)
  7. Voiceoverでメニューバーを操作する(VO+"M"、"M"、VO+矢印)
  8. 項目選択メニューから操作する項目を探す(VO+"U")
  9. Safariを使ってWebをブラウズする(項目洗濯でリンクにジャンプ)
  10. 各種リソースの紹介( コマンド一覧、MacBook電子マニュアルなど)
  11. 質問コーナー

ここでタイムアップ。
それぞれの内容ごとに、Macの基本的なショートカットキー(Command+"S"、"W"、"Q"など)も交えつつ、キーボードと音声だけでMacを操作する方法をレクチャーしてくれます。短い時間ながら、Voiceoverを用いたMacの操作方法の基本が体験できる感じですね。
特にMacにおけるVoiceoverの特徴ともいえる、グループ化された(入れ子状になっている)コンテンツを、VO+Shift+上下矢印キーで階層へ入ったり出たりするナビゲーションは比較的丁寧に説明してくれました。
もちろん初めてVoiceoverに触れるユーザーが、すぐに使いこなせるようになるかといえば正直難しいとは思いますが「音声とキーボードだけでMacは操作できる」ことが体験できるだけでも有意義なセッションといえるでしょう。ネットを含め、MacのVoiceoverに関する情報は極めて少ないですしね。

筆者としてはそれなりにVoiceoverを使っているつもりだったのですが、MacBookのキーボード配列に悪戦苦闘してしまい、結構いっぱいいっぱいになってしまいました。普段はWindows用のUSBキーボード(RealForce)に凸点シールを貼る、というぬるい環境に慣れていたことが仇となってしまったようです。もちろんAppleの方が丁寧に教えてくれるのですが、何せホームポジションの凸点が小さ過ぎて(言い訳)。
どうやら今回、「文字入力」という内容もあったみたいなのですが、キーボードが全然打てない筆者を見かねて、スキップしていただきました。なおキーボードの持ち込みもできるようです。
あとショップにもよると思いますが、今回はお店の片隅にあるオープンスペースっぽい場所だったため、店内の音が結構入ってきます。イヤホンなどを準備しておくとVoiceoverの音声が聞き取り安いかもしれません。

最後の質問コーナーは、今回のセッションの内容以外の質問もできるということなので、ここぞとばかり日本語IMEの変換候補の先頭を説明しないこと、日本語の詳細読みをしてほしいことをお話ししました。時間は短いですが。、予め聞きたいことを用意しておくと、もしかしたら質問や要望を伝えられるかもしれません。Appleの中の人、それもVoiceoverの知識を持つ方と直接情報を交換できる貴重な機会ではないかと思います。サポートに電話しても、必ず霜VOに詳しい人が対応してくれるとは限りませんからね。

というわけで、意外と歯応えを感じたセッションでした。Voiceoverを用いる上で最低限知っておくべき情報がコンパクトにまとめられているので、当事者にレクチャーする立場の方にも参考になるでしょう。
個人的には、さらに高度なセッションを希望したいところです。その時には絶対、愛用のRealForceキーボードをかついで出席したいと心に誓うのでした。

担当してくださった方によると、MacのVoiceoverセッションはなかなか人が集まりにくいとのこと。この貴重な機会を失わないためにも、ぜひ興味があればお誘い合わせの上参加してみてはいかがでしょうか。
お店で最新のApple製品を触るのも楽しいですよ。

ひとまずブログを統一します

BloggerがVoiceoverで非常にアクセスしにくくなってしまったため、しばらくはMac関係の記事も メインのブログ にエントリーすることにしました。ブログの切り替えが非常に難しいんですよ。 改善されればまたこちらにもエントリーするかもしれませんが。 よろしくお願いします。